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もくじ
株主優待タダ取り(クロス取引)について
株式投資の魅力の一つに『株主優待』がありますね。
株主優待とは企業が株主の方に対し日頃の感謝の気持ちを込めて自社の製品やサービス、さらにはクオカードや図書カード、ジェフグルメカードやギフトカードなどをプレゼントしてくれる嬉しい制度です。
株主優待をもらうためには、権利付最終日の15:30時点に対象の株式を保有している必要があるのですが。。
普通に権利付最終日に株式を購入し翌日に売却すると一般的には株価は下落しますので、配当や株主優待をもらえるかわりに株価変動による損失も出てしまいます。
これだとどのくらい株価が下がるかわからないですし株主優待分の損失を出したら意味ないですよね??
そこで、株式の『現物買い』と信用取引を使って同じ株式の『信用売り』を同時に行い、買いと売りの損益を相殺して、株価変動リスクを回避するわけです。この両建て取引のことをクロス取引と言います。
また、これは配当についても同じで、『買い』でもらえる配当と『売り』で支払う配当が同額で相殺されます。
なので完全に株価変動に関するリスクはゼロということになります。
ただし、買いは現物である必要があるから注意ね!
必要なコストやリスクは?
ここまでの話だけだとクロス取引はリスクもなく最高なのですが注意点もあります。
まずは、当然ながら株式を購入するのに必要な手数料がかかります。
これを考慮してクロス取引をしないと株主優待の価値以上の手数料がかかってしまい全く意味ありません。
ただし、ネット証券の手数料はかなり安いので、ネット証券で取引すれば取引手数料は最小限に抑えることができます。
あと、信用取引の信用売りには貸株料というものがとられます。(信用買いでは金利が)
料率は証券会社によって多少変わりますが、これはそれほど気にする必要のない金額です。
では一番気を付けなければならいリスクは何か?
クロス取引で最も注意しなければならないのは『逆日歩』です。
あまり聞きなれないかとは思いますが『逆日歩』というのは簡単に説明すると信用売りが増えた場合にかかるコストみたいなものです。
あまり詳細な説明をすると難しくなるので、ほどほどにしたいと思いますが、
信用売りをするには売るための株式が必要です。
あまり信用売りをする人が多くなければ本来かからないコストですので問題ないのですが、権利付最終日などに信用売りをする人が増えれば売るための株式が不足するため株式をどこからか借りてこなければいけません。
その株式を調達する際にコストがかかり、それを信用売りする投資家が負担しなければならないのです。
これが意外とやっかいで、逆日歩がいくらつくかは翌日にならないとわかりません。
上限はあるのですが、いろんな条件が重なると相当な金額が付くこともあります。
しかし、これを回避する方法があります。
制度信用取引と一般信用取引
実は信用取引には『制度信用取引』と『一般信用取引』という2つの信用取引があります。
※『一般信用取引』を『無期限信用取引』と呼んでいる証券会社もあります。
実は先ほどの逆日歩が付く話は制度信用取引の方だけで一般信用取引には発生しないのです。
ただし、一般信用取引にもデメリットがあります。
それは少し貸株料が高くなることと取り扱い銘柄数が制度信用取引に比べて少ない点です。
魅力的な優待を見つけてクロス取引をしたいと思っても
一般信用取引で取り扱っていない銘柄だとクロス取引はできません。
制度信用取引ではできても一般信用取引ではできないといったこともよくあります。
他に一般信用取引の特徴として証券会社によって取り扱い銘柄が違うということがあげられます。
制度信用取引であればどこの証券会社でも取り扱い銘柄は同じなのですが、一般信用取引ではそもそも証券会社によっては取り扱いがなかったり、あっても取り扱い銘柄が少ないなど様々です。
そこで、今一般信用取引をするにあたっておすすめなのがSMBC日興証券です。以前まではカブドットコム証券や松井証券、楽天証券などもおすすめでしたが今はSMBC日興証券が間違いなくおすすめです。
SMBC日興証券の証券口座詳細についてはこちらをご参照ください。
カブドットコム証券はかつて一般信用取引の取り扱い銘柄数が最も多い証券会社として有名でした。しかし今は一般信用取引ができる証券会社も増えてきていて選択肢が広がりました。
特にSMBC日興証券は2019年3月から一般信用取引の取り扱いが始まり、取扱銘柄もかなり多く、さらに一番の特徴と言えるのが信用取引手数料が無料という事です。この点は他を圧倒しているといっても過言ではありません。
金利、貸株料はかかりますが、他の証券会社と比較しても最安値水準です。
ただし、売り切れると信用売りが出来なくなってしまうので人気のある銘柄だと権利付最終日にはクロス取引が出来なくなっている可能性はあります。
と、一般信用取引について説明してきたわけですが。
実は正直なところ私自身はあまり一般信用取引を利用していません。
理由はやはり取り扱い銘柄が制度信用取引と比較して少ないことと、コストが高くついてしまうということでしょうか。
それと、たしかに一般信用取引は逆日歩のリスクからは解放されるのですが制度信用取引であっても逆日歩のリスクを最小限にすることは可能だからです。
まず、逆日歩には価格帯や単元別に最高逆日歩というのがあり1日辺りの最高額が決まっています。
ただし、権利付最終日はその最高額が4倍になったり、注意喚起銘柄に指定されるとさらに2倍になったりと注意する点もあります。
なので、この最高額よりも優待銘柄の方が価値が高いのであればクロス取引する価値があるといえます。
また逆日歩は株不足の際にかかるコストです。
ということは圧倒的に信用買いの方が多く明らかに株不足にならないと考えられる状況であれば制度信用取引でクロス取引しても問題ないわけです。
ただし、どんなに信用買いが信用売りを上回っていたとしても絶対に逆日歩が付かないとは言い切れませんが・・・
逆日歩が付かなそうなのだけにしておけば大体はゼロだし、ついても数十円から数百円とかってことが多いかな。
上記の理由から私は逆日歩のリスクとうまく付き合いながら制度信用取引でクロス取引するのであまり一般信用取引は利用していません。
クロス取引の効率的な方法
基本は権利付最終日に制度信用取引でクロス取引して、逆日歩が付きそうだけど優待が豪華でクロス取引したい銘柄は一般信用取引を利用するのが効率が良いかなと思います。
一般信用取引は売り切れになる可能性があるので権利付最終日より少し前からクロス取引することも状況によっては考えたほうが良いかと思います。(貸株料は毎日付きます。あまり長すぎると貸株料が高くつくので注意です。)
手数料については先ほど説明したように現状はSMBC日興証券が手数料無料ですからダントツです。一般信用の取り扱いも始まったことで初心者の方でも安心かと思います。
他にも岡三オンライン証券は一日の約定代金合計が現物20万円、信用20万円まで各取引手数料無料なのでその枠を利用するという手もあります。
なお、2019年12月23日からSBI証券、楽天証券、松井証券、岡三オンライン証券の手数料が改定され、各社一日の約定代金合計が50万円まで取引手数料無料になりましたのでかなり使いやすくなりました。こちらの枠を利用するというのも良い方法だと思います。
後は、各証券会社でよくある手数料キャッシュバックの口座開設キャンペーンなどをクロス取引のタイミングで利用するのも良いですね。
そして、クロス取引した銘柄は翌日(権利落ち日)に決済して終了です。
まとめ
制度信用取引もしくは一般信用取引でクロス取引するかは個人の考え方によって変わると思います。
一般信用取引ならリスクがないじゃないか!と思われる方も多いかと思いますが、実は制度信用取引は逆日歩のリスクはありますが、配当落調整金の関係で税制上有利な部分もあります。
興味があれば参考にしてみてください。
ただし、これは少し難しい話になりますので初心者の方はリスクの少ない一般信用取引でクロス取引することを個人的にはおすすめしますよ。
この手法は仕組みさえ理解できれば現物と信用売りをクロス取引するだけで簡単に株主優待がGETできるのでぜひやってみてください。