12月は優待権利日が比較的多い月ですよね。IPOも多い月ですし、年末なのもあって何かと忙しく優待銘柄選びも結構大変です。
優待クロス取引についてはこちらで解説しています。
私は基本的に制度信用取引でクロス取引するのですが、今は一般信用取引でのクロス取引という選択もあるので優待クロス取引は難しくなってきてます。
一般信用取引の方が逆日歩が付かないので今は人気のようですね。ただ最近は少し過熱しすぎているようにも感じていて人気のある銘柄は在庫争奪戦を権利日の1ヶ月前とかから行っているような状態です。
制度信用取引の場合は権利付最終日だけ持ち越せば良いので簡単ですが、この場合は逆日歩に気を付けなければいけません。それに今月は逆日歩7日なので特に気を付けなければいけません。
昨年の12月もすべて制度信用取引のみでクロス取引したのですが、大きな逆日歩もあったので利益にはなりましたが少し寂しい利益となってます。
それでは今年最後12月の優待クロス取引の結果はどうなったでしょうか。
もくじ
12月株主優待銘柄クロス取引の結果
内訳
信用取引手数料※1 | 0円 |
信用金利(1日分)※2 | 196円 |
貸株料(8日分)※3 | 825円 |
逆日歩(7日分) | 4,550円 |
取得優待価値※4 | 24,450円 |
配当落調整金考慮※5 | 4,822円 |
利益相当額 | +23,701円 |
※1 SMBC日興証券 信用取引手数料無料
※2 制度信用買い約285万円×信用金利2.5%÷365日×1日
※3 制度信用売り約327万円×貸株料率1.15%÷365日×8日
※4 金券等25,500円分×90%+商品等3,000円分×50%
※5 予想配当金合計32,150円×約15%=4,822円(4,822円-※2-※3-逆日歩=-749円、損失なので税金考慮不要)
あまり考慮している人はいないかもしれませんが、制度信用取引でクロス取引すると実は配当金の約12%(税金考慮後)が手元に残ります。
これは制度信用取引と一般信用取引では配当落調整金のルールが異なるからです。
詳しくはこちら
んで、結果の方はと、、配当落調整金の利益と逆日歩が同じぐらいか。うん、これなら逆日歩の影響はほぼなしだわ。
検証
今回も権利付日当日まで一般信用売りの在庫が残っていた場合、制度信用取引と一般信用取引でどちらが有利なのか検証してみました。
2019年3月、9月の検証結果はこちらにありますのでこちらも参考にしてみてください。
まず前提として、すべての銘柄を確認したわけではありません。私が優待権利取りを検討するために作った個人的な優待リストの範囲内です。12月の優待銘柄は貸借銘柄だと110銘柄前後ありますが、そのうち33銘柄で検証しました。
このうち、SBI、楽天、SMBCに在庫が残っていたのは13銘柄で逆日歩総額は2,415円でした。13銘柄の予想配当金額合計は30,230円でしたので約4,534円(30,230円×15%)が配当落調整金の利益になります。
なので、これらの銘柄は一般信用取引ではなく制度信用取引でクロス取引すれば、さらに2,119円(4,534円-2,415円)の利益が出ていたことになります。
銘柄別にみても損失になったのは3950ザ・パックだけで、それでもたった10円の損失です。(逆日歩385円、配当落調整金利益375円)
他に4746東計電算の逆日歩は1,470円と高額になりましたが、配当金が100株あたりで10,000円と高額なため、そのうちの15%である1,500円が配当落調整金による利益になります。結局、差額30円の利益になるんです。
残りの20銘柄については在庫が残ってなかった銘柄になりますが、逆日歩総額は7,070円、予想配当金額合計は38,200円です。結果は1,340円の損失です。(38,200円×15%-7,070円=-1,340円)
銘柄別でも7勝13敗であまり良い結果ではありませんでした。ただし、この1,340円の損失を上回る優待をこの20銘柄でGETできれば優待クロス取引としては成功ですので、けしてこの20銘柄が失敗だったというわけではありません。
結論
『権利付最終日当日に一般信用売りの在庫がある場合、制度信用取引でクロス取引した方が有利!』
3月、9月に検証した時もそうだったのですが、今回も結局一般信用取引よりも制度信用取引でクロス取引した方が有利という結果になりました。
やはり権利付最終日にSMBC、SBI、楽天などで一般信用取引の在庫が残っている銘柄は制度信用取引でクロス取引したほうが有利なようです。
まとめ
12月の優待クロスは21銘柄で全て制度信用取引でクロス取引しました。少額の逆日歩は当然ありましたがトータルでは投資額に対して0.7%程度の優待利益になったので良かったと思います。
検証についても今までは一般信用の在庫はSMBCのみを確認していましたが、今回はSBIと楽天も在庫確認してみました。今回はかなり参考になったので次回に生かしたいと思います。
優待クロス取引ならSMBC日興証券は信用取引手数料無料なのでおすすめです。一般信用取引の取り扱いもあるので逆日歩リスクを負いたくない人も利用できますよね。
取引手数料無料なので必要な費用は信用金利と貸株料のみ。制度信用取引だと信用金利2.5%、貸株料率1.15%、一般信用取引は貸株料率1.4%なので他の証券会社と比較しても悪くありません。
なお、SBI、楽天、松井、岡三オンラインは、1日約定代金50万円までの手数料が無料になりましたので、この枠を利用するのも悪くないと思います。特にSBIは現物枠と信用枠それぞれで50万円らしいので合計最大100万円まで無料になりますからより使いやすそうです。