いちよし証券はそれほど知名度は高くないと感じますが、中堅証券会社に位置づけられます。
『中小型成長株投資・資産運用のことならいちよし証券へ』という事なのでアクティブなトレーダーにはあまり向かない証券会社と言えます。
ただ、中堅証券会社という事もあり、IPOの取り扱いは例年そこそこあり、年に数回ですが主幹事もあります。
ここではいちよし証券のIPOルールや抽選方法に加え、手数料などの情報を提供します。
もくじ
IPO情報
口座開設数
約16万口座(2018年時点)
口座開設数は少ないほうが有利です。口座開設数が多い証券会社はそれだけライバルが多いのでIPO当選確率に影響を与えます。
いちよし証券の開設口座数は約16万口座ですが、これは預かり残高のある口座数ですので残高数ゼロのIPO投資家の潜在的口座数がどのくらいあるのかはわかりません。
預かり残高のある口座数はほぼ横ばいですが、毎月1,000口座ぐらいの新規口座開設があるようですからもしかすると20万口座以上はあるかもしれません。
とはいえ、大手証券会社と比較するとかなり少ないと思いますのでライバルは少なく有利と言えるでしょう。
IPO取扱実績
過去のIPO取扱実績(委託幹事を含む)
上場年 | 幹事 |
2018 | 30(1) |
2017 | 37(4) |
2016 | 30(1) |
2015 | 34(2) |
2014 | 36(1) |
※REIT、インフラは除く、()内は主幹事数
IPO取扱銘柄は多いほど抽選機会が増えるためIPO当選回数に影響を与えます。
いちよし証券のIPO取扱銘柄数は毎年30銘柄以上あり他社と比較しても多い水準です。主幹事も年に数回ありますので有利な証券会社と言えます。
抽選配分率
10%
抽選配分率は当選確率に影響を与えます。高いほうが当選しやすくなるため有利になります。
いちよし証券の抽選配分率は10%です。大手証券会社の抽選配分率は10%程度なので普通です。いちよし証券への配分が50単位未満の場合は抽選配分が無くなるようですので若干不利かもしれません。
抽選方法
完全平等抽選
いちよし証券は『一口座一口』の完全平等抽選を採用しているため資金量に関係なく当選確率は同じです。したがって資金量が少ない投資家にとっては有利な抽選方式です。
例えば、100株の申し込みをしても1,000株の申し込みをしても当選確率は変わりません。基本的に当選するときは100株の当選になります。
また、当選後の購入辞退にペナルティーはありません。
入金の必要なタイミング
当選後の購入申込時
いちよし証券は当選後の購入申込時に購入資金が必要になりますのでBB時点で資金は必要ありません。資金不要で抽選に参加できますから少額投資家にとっては有利な制度です。
資金拘束タイミング
購入申込時
当選後の購入申込時に資金拘束されます。
資金不要で抽選に参加できますから、同日にIPO抽選が複数ある場合でも関係なくすべてのIPO抽選を受けることができますので少額投資家には非常に有利です。
資金移動効率
いちよし証券は基本的に入金、出金共に手数料がかかります。入金は入金手数料負担、出金の際には216円(税込み) ※一部無料の口座支店があります。
ただIPO投資に限れば抽選自体に資金不要で参加できますので当選した時だけと考えれば資金の移動に時間や手数料がかかることはそれほど重要ではないかもしれません。
入金は通常の振込方法でいちよし証券の銀行口座に振り込みます。振込後は当日中にフリーダイヤルまで連絡するよう記載されています。
出金もインターネットによる出金はできないので取引支店まで連絡しなければなりません。
IPO投資のみの利用であれば当選した時にだけ必要になる入出金作業ですが、かなり面倒くさい印象はあります。
IPO申込方法
他の証券会社と比較すると少し申込方法が特殊ですので少し解説したいと思います。
いちよし証券はIPOブックビルディングに申し込む場合、インターネットによる方法とIPO専用ダイヤルに電話する方法があります。以前は電話でのみ申し込みが可能でしたが、現在はインターネットでも申し込みが可能です。
ここではインターネットによる申込方法を説明します。
まずいちよし証券のHPトップ画面から上段にあるメニューの『サービス』>『お取引方法』をクリックします。
画面右下の方にある『IPOブックビルディングのお申込み』をクリックします。
IPOブックビルディングの申込画面で『いちよしダイレクト』をクリックします。支店口座をお持ちの方は『支店でお取引のお客様』をクリックしてください。
部店はいちよしダイレクトになってるのでそのままで『口座番号』、『口座名義人名』をカタカナで、『生年月日』を入力してログインしてください。
ログイン後、登録住所の確認の画面になりますので変更がなければ『登録住所に変更はありません。(進む)』をクリックしてください。
IPO銘柄一覧が出てきますので需要申告すれば完了です。
取引手数料
いちよし証券はインターネット上で取引をすることはできません。したがって各支店での取引かいちよしダイレクトでの電話取引(テレフォントレード)になります。
いちよしダイレクト(テレフォントレード)の株式取引手数料は50万以下は約定代金の0.7020%で最低手数料1,620円(税込み)~ですのでかなり高いです。ただ、これはインターネット証券ではないので仕方ないところです。
捕捉
以前までIPOは電話で申し込みをする必要がありましたが、現在はインターネット上で申し込みが可能になりました。当選した場合には、電話で当選連絡がきます。
口座開設手数料、口座維持手数料は無料です。
総評
いちよし証券はIPO投資に限って言えば開設口座数はおそらく少なく穴場と言えます。抽選資金不要で資金拘束が株式購入時までないのは少額投資家にとっては魅力ですね。
インターネット上で入出金や取引ができない点は使いづらいと言わざるを得ませんが、逆に言えばIPOの競争率も下がるとも考えられます。
今はインターネット上でIPOに申込めるようにはなりましたが、それでもIPO申し込みから当選して入金、出金、売却と考えるとまだまだ面倒な部分も多いです。
IPOは年間、数回の主幹事も務め、取扱数ともに実績は確かです。完全平等抽選を採用していて抽選資金不要でIPO当選が狙える証券会社は少額投資家にとって貴重な証券会社です。
少々癖はある証券会社かとは思いますが、抽選機会を増やす意味では口座開設をしておきたいところです。
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