FXとはForeign Exchangeの略で外国為替証拠金取引のことです。
大きくレバレッジを掛けられるからなのかFXは危ないと言われたりする投資法ですが
管理をしっかりすれば何も恐れることはありませんのでご心配なく。
どんな投資にもリスクは付き物です。
投資は投資対象によってリスクが変化するのではなく投資の仕方によってリスクが変化します。
リスクの取り方は選択できますからきちんと理解すればそれほど恐れる必要はありません。
今回はその中でもリスクの低い投資法『スワップポイントサヤ取り』を紹介します。
リターンはそれほど高くはないのですが、日本の金利は低いですから。インフレに負けないためにも余剰資金は効率よく資産運用できるようになるといいですね。
最適なスワップポイントサヤ取りの最適な組み合わせやおすすめのFX会社はこちらで紹介します!
っていう人は関係ないけどねぇ~
もくじ
スワップポイントとは?
知らない人もいるでしょうから、
スワップ金利サヤ取りについて説明する前にスワップポイントについて簡単に説明しておきます。
そもそもFX?証拠金取引ってなんだよって人からすると少し話をすっ飛ばしますが。。
スワップポイントとは簡単に言えば利息のことです。
スワップ金利という言い方は厳密には間違ってるかもしれませんが、スワップポイントと同じ意味でここでは使います。
私は会計士の知り合いが多いのですが、この話をすると変動金利と固定金利を交換する『金利スワップ』と勘違いする人がいますが会計用語の金利スワップとは違いますので勘違いしないでくださいね。
話を戻します。
スワップポイントは各通貨の一日の金利差を表しています。
たとえば、高金利の通貨を買って、低金利の通貨を売るとプラススワップとして利息を受け取ることができますし
逆に高金利の通貨を売って、低金利の通貨を買うとマイナススワップとして利息を支払う必要があります。
日本の通貨は金利が低いので『ドル/円』など外国通貨を買うと大抵はプラススワップになります。
ドル/円の買いはドルを買って、円を売るということ。
買いの場合は金利差1.9%分の利息が受け取れます。逆に売りの場合は1.9%分の利息を支払うことになります。
このスワップポイントを活用すると高金利通貨の南アフリカランドやトルコリラなどを買えばさらに多くの金利を受け取ることができます。
たしかに外国通貨を持っていれば高金利で利息をもらうことができるかもしれません。
でも単純に外国通貨を持っていれば為替変動によって大きな損失が生じるかもしれませんよね?
いくら高金利で利息をもらっていても為替差損で元本割れしてしまっては意味がありませんよね?
そこで、ここからが本題です。
実はこのスワップポイントは為替変動リスクを負わずに受け取れる方法があるのです。
それが上述した『スワップポイントサヤ取り』という投資法です。
それをこれから説明します。
スワップポイントサヤ取り方法
やり方は簡単です。
例えばドル円であれば、買いと売りを両建てすれば良いのです。
ただし、同じFX会社で買いと売りの両建てをしてもプラススワップがマイナススワップを上回ることはないでしょう。
しかし、実はこのスワップポイントはFX会社によって異なり、同じ通貨ペアでも同じとは限らないのです。
つまり、プラススワップが大きいFX会社で買い、マイナススワップが小さいFX会社で売れば、プラススワップがマイナススワップを上回った分の金利が毎日受け取れるのです。
当然、買いと売りを両建てしているので為替変動リスクは回避することができます。
こういった通貨ペアを見つけて両建てすれば毎日少しずつスワップポイントを為替変動リスクなしで受け取ることができるのです。
この投資法のデメリット
とはいえ、この投資法にもいつくかデメリットがあります。
まずはスワップポイントが逆転する可能性です。
どういうことかというと、実はスワップポイントは日々変動して一定ではないのです。
そのため、マイナススワップがプラススワップを上回ってしまうこともありえます。
この投資法はスワップポイント差がプラスでないと成り立ちません。
もしスワップポイントが逆転してしまうと逆に毎日、利息を払うことになります。
そうなった場合すぐに両建てを決済して解消すれば大きな痛手は負わないのですがスプレッド分を回収できていない場合には元本割れする可能性があるので注意が必要です。
実はFX取引には『買値』と『売値』があって、スプレッドはこの差額のことなんだよね!
他にも、含み損が大きくなることによるロスカットがあります。
両建てしていれば為替変動リスクは負わないのですが異なるFX会社での両建てなので、どちらか一方に大きく動けば当然、片方の口座は大きな含み益になる一方、もう片方の口座では大きな含み損が生じます。
そうなると含み損が発生している口座でロスカット(強制決済)される可能性があるのです。
なのでロスカットされないように含み損の発生している口座に含み益が発生している口座の資金を移動させたりと口座の管理は必要になってきます。
具体的な投資方法
ここからは具体的にどのようにすればいいのかを説明します。
まずは各FX会社のスワップポイントの状況を確認し、そこでスワップポイント差の大きい通貨ペアを探します。
大体ランドであれば10万通貨辺り60円以上、米ドル、豪ドル、NZドルは1万通貨辺り20円以上が仕掛ける目安になるかと思います。
こういった通貨ペアが複数ある場合には分散して投資すると安定して良いと思います。
また、いつも同じFX会社が一番大きいスワップポイント、または一番小さいスワップポイントを提示しているわけではないので、FX会社の口座は出来る限り多く作っておく方が選択肢が広がり有利です。
通貨ペア、FX会社が決まったら後は両建てポジションを作るだけです。
同じタイミングで両建てするのが理想ですが、多少ずれても大きな影響はないので大丈夫です。
出来れば、9時、16時、21時付近の値動きの激しい時間帯を避けて取引することをおすすめします。
この時間帯は東京の株式市場、欧州の株式市場、ニューヨーク株式市場が開く時間でその影響もあり値動きが激しくなります。
買いと売りを間違えないように注意してね!
後は多くのFX会社では水曜日から木曜日にかけてはスワップポイントが3倍になりますので、そのタイミングで仕掛けてもいいかと思います。
理由は受け渡し日が2営業日後なので土日の分が先にもらえるってだけです。特に深く考えなくても大丈夫です。
適切なレバレッジとは?
この投資法は両建てによって為替変動リスクを相殺しているため、普通の取引に比べ高いレバレッジをかけて取引することができ、それはこの投資法の最大のメリットともいえます。
例えば
資金200万円、USドル/円の為替が100円、1万通貨辺りスワップポイント差が25円
各口座に100万円ずつ入金して10万ドルずつ買いと売りを行って両建てしたとします。この場合レバレッジ10倍です。
そうすると
1日のスワップポイント250円×365日=91,250円になります。
利率は
91,250円÷200万円×100=4.56%です。
レバレッジ10倍だと6円程度の為替変動でロスカットの危険が出てきますのでもう少し余裕をもって両建てするのが良いかと思います。
これ以上のレバレッジは危険かと思いますので個人的には資金管理を徹底して攻めるのであれば10倍がギリギリのラインで、安全に運用したいのであれば5倍ぐらいにしておくと利率は半分になりますが良いかもしれません。
続いて南アフリカランド円の場合についても検討してみます。
資金200万円、ランド/円の為替8円、10万通貨辺りスワップポイント差60円
各口座に100万円ずつ入金して50万ランドずつ買いと売りを行って両建てしたとします。この場合レバレッジ4倍です。
1日のスワップポイント300円×365=109,500円
利率は
109,500円÷200万円×100=5.48%です。
レバレッジ4倍だと1.68円程度の為替変動でロスカットの危険が出てきます。
ランド円は大きく動きやすいのでこのぐらいが安全だと思いますが、資金管理を徹底し攻めるのであればレバレッジ6倍ぐらいまではギリギリいけるかもしれません。
レバレッジ6倍だとロスカットまでの余裕が1円程度で利率が8.22%程度になります。
適切なレバレッジの結論としては人それぞれですが、ひとつの基準をしましますと。
米ドル、豪ドル、NZドルなどの通貨で安全に運用するのであればレバレッジは5倍、攻めるのであれば10倍程度。
南アフリカランドで安全に運用するのであれば4倍、攻めるのであれば6倍程度が適切なレバレッジかと個人的には思います。
その他の考慮事項
こうなるとレバレッジも低く利率も高い南アフリカランドの方が両建ては有利じゃないかと思います。
しかし、南アフリカランドはスプレッドが広いのでそのスプレッド分を取り戻すのに時間がかかります。
ドル円を10万ドル両建てした時のスプレッド分は大体600円~1000円ぐらいです。1日のスワップポイントは250円ですから1000円÷250円=5日がスプレッド分の回収期間となり6日目から利益になります。
一方ランド/円はどうでしょうか。
南アフリカランドを50万ランド両建てした時のスプレッド分は大体7500円~15000円ぐらいはかかります。1日のスワップポイントは300円ですから15000円÷300円=50日がスプレッド分の回収期間で51日目からようやく利益です。
利率は高いほうが良いのですが、スワップポイント逆転やロスカットのことを考えるとスプレッド分の回収期間は短いに越したことはありませんよね。
どちらがいいとは言えませんが、こういった点も考慮して両建てポジションを作ることが非常に大切なのです。
スワップポイントサヤ取りは資金管理さえしっかりして、やり方さえ間違えなければ非常にリスクの小さい投資法といえます。
それでもやはり投資である以上はリスクがあります。これまでの注意点をしっかりと確認して投資判断をするようにしてください。