公認会計士の仕事とは?監査法人での業務内容、残業や年収など。

私は公認会計士試験合格後に監査法人で約2年間、働いていました。

公認会計士試験は日本の資格試験の中でもかなり合格が難しいとされていますが、医師や弁護士とは違いあまり知名度はありませんので公認会計士がどんな仕事をしているのか知らない人は多いのではないでしょうか?

知名度が低い理由の一つとして普通の人は公認会計士とあまり接する機会がないというのもありますが、最大の理由はドラマなどの題材にならないという事が個人的には大きいのではないかと思います。

医師や弁護士を題材にしたドラマは結構ありますけど公認会計士ってほとんどないですよね?要するに地味なんです。なのであまり話を面白くできないんですよ。

そこで今回は公認会計士試験合格後に大半の人が就職する監査法人の業務内容について残業や年収なども含めてお話しできたらと思います。

 

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公認会計士について

公認会計士の業務

監査』は公認会計士だけに認められている独占業務ですが、これが公認会計士の主な仕事です。

他にも公認会計士は税理士登録ができますから、独立して開業している公認会計士は『税務』や『コンサルティング』なども行っています。また公認会計士は会計の専門家ですから会計に関するすべての業務が対象になり、その業務は多岐にわたります。

 

監査とは

監査の目的を簡単に言えば、経営者が作成した財務諸表(貸借対照表や損益計算書など)の適正性を意見として表明することです。

要は会社が世の中に公表しようとしている財務諸表が正しいかどうかをチェックして、その信頼性を保証する業務です。

企業とは独立した第三者である公認会計士が監査することで投資の意思決定情報である財務諸表の信頼性が担保されるという事ですね。

この業務は公認会計士単独で行うというよりは実質的には組織としての監査法人が主に行う業務だと言えます。

 

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監査法人について

実は上場会社の大半75%程度が大手監査法人によって監査されています。株式投資をしている方が見ている上場会社の財務諸表は新日本監査法人、あずさ監査法人、監査法人トーマツの3大監査法人のいずれかが監査していることがほとんどです。

そして公認会計士試験合格者の大半はこの大手監査法人に就職することになるので、簡単に業務内容と他に残業の状況、年収など興味のありそうなところをお話ししようかと思います。

 

業務内容

やはり基本的には『監査』が主な業務ですが、その他にも非監査業務としてコンサルティングや株式上場支援業務なども手掛けます。IPOする企業は上場前2年間は監査を受ける必要もありますが、株式上場のための課題整理やアドバイスなどは監査法人の大きな役割でもあります。

配属される事業部によって各人の業務内容は変わってきます。ちなみに私は監査事業部でしたので非監査業務についてはあまり経験がありません。

監査について具体的にどのような手順で進めていくかについては特に面白い話でもないので、気が向いたら書こうかなと思います。

 

残業について

狭い業界なのでこういった話は少し興味があるところかもしれませんね。

まず、残業は基本的にフルチャージできます。残業したり土日に仕事していたとしてもあえてチャージしない人はいるかもしれませんが、サービス残業などは基本的にはありません。

月の残業時間も繁忙期であれば80時間ぐらい行く事もありましたが、通常は20時間程度でしょうか。全く無い月もあります。

また通常、監査法人の定時は7時間ですので残業時間20時間は月20日出勤だとすると一日8時間労働ですから残業は無いようなものかもしれませんね。

一番忙しい時期は3月決算が多いので決算短信の集中する4月中旬から5月上旬の2週間ぐらいです。これは担当するクライアントにもよりますね。何社も掛け持ちするとかなり忙しくなります。

それゆえ、公認会計士はゴールデンウィークは無いと思ってください。というよりもともと出勤日なんですね。ただ、その代わり代休がまとまって閑散期の8月に集中するので夏休みが12連休とかになります。

私が働いていた時は終電まで残業していたりという事もありましたが今は働き方改革の影響でそこまで働けないようになってるようです。

サービス残業等は基本的に無いとは言いましたが、それは私の経験上の話です。担当するクライアントやチームの上司によってはチャージできないこともあるかもしれませんし、あってはならないですが、実際には雰囲気的にチャージできないとかそういうのは少なからずあるかもしれませんね。

 

年収ついて

監査法人の入社1年目の年収は大体500万程度と言われていますが、残業しないと450万程度かと思います。私は多少残業して500万弱だった記憶があります。入社時の年齢は関係ありません。

2年目だと特にベースは殆どアップしませんが、夏のボーナスがフルに出るのと実務補修所に頻繁に通っていた1年目と違い少し残業が増えますので多い人だと700万を超える人もいますね。私は650万程度だったと思います。

その後は私は辞めてしまったのでわかりませんが、4年目で大体シニアに上がります。シニアに上がるとベースが一気に上がりますので5年目ぐらいで残業しまくってる人は1,000万を超える人もいるかもしれませんね。

その後はアシスタントマネージャー、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーといった感じに上がっていきます。マネージャーから残業は付かないようですが1,000万ぐらいにはなると思います。残業が付かなくなるのでマネージャーに上がると逆に年収が下がる人もいるようですよ。

 

有給について

有休については空気的に取れなかったりします。有休は従業員の権利ですので取るのに理由は必要ないですし自由に取れるはずなのですが、実際には他の従業員と重ならないように取れる日が指定され、すべて消化できないというのが現状です。

また監査法人によって違うと思うのですが、有給の他に年間5日程度の休暇がもらえたりします。それはそれでありがたいのですが結局、有給が消化できなければあまり意味がない気もします。

2019年からは年間最低5日以上の有休を消化させることが義務化されたようですが1年目でも有給は10日もらえますし、勤続年数が増えれば20日まで増えます。5日の消化義務では結局全部消化できないような気がするのですが…

 

上下関係について

上下関係については普通にあります。年次が1年違えばもう家来扱いで逆らえない雰囲気があり身分制度でもあるのかと感じることもあります。もちろん人によって違いますが。

入社時の年齢は試験合格時で皆違いますので年下の先輩や上司は沢山います。私は32歳で入社したので8歳、9歳年下の先輩がいたりしましたが、そういう奴に限って先輩風吹かせてきたりするんですよ。

それを我慢するのも結構きつかったりします。仕事以外の余計なストレスがすごく大きかったなと感じますね。

 

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まとめ

監査法人は忙しい時期とそうでない時期がはっきりしていて長期の休みがとりやすい業界ではあるかと思いますが、それでもすべての有休が消化できるかは微妙なところといった問題もあります。

年収については入社1年目で500万前後なので大学卒業までに合格して新卒で入社すると多い方かもしれませんね。

一般的にはホワイトな業界なのかなとは思いますが、公認会計士とは言え、日本の監査法人に属すれば結局は日本のサラリーマンです。気を使わなければいけない面倒な飲み会や不要な上下関係もあります。これは日本の企業に属する限りは仕方がないと割り切るしかないのでしょうか。

 

というわけで今回は、あまり普段は目立たない公認会計士の業務などについて記してきましたが、公認会計士が主に行う『監査』は企業が開示する情報の信頼性を確保するという形で株式投資家や資金貸付を行う金融機関など利害関係者の利益を守る重要な役割を担っています。

ただ、正しい情報を得られるのは当たり前という感覚が強いからか公認会計士が称賛される場面は少なく、粉飾などが起こった時にのみ公認会計士の責任が問われる何とも切ない職業でもあるのです。

4月、5月は決算が多く控えていて監査法人の公認会計士はゴールデンウィークも休まず投資家のため働いています。そんな公認会計士の知名度向上に少しでも寄与できれば幸いです。

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