公認会計士試験に合格した私が日商簿記1級を独学で合格するまでの費用や勉強時間を解説する

日商簿記2級を取得した方の中には日商簿記1級に挑戦しようと考えてる方が少なからずいるのではないでしょうか?

 

簿記2級は市販のテキストなどで勉強し、独学で合格した方も多いかもしれません。

ただ、簿記1級となるとさらに難易度は上がり、独学で合格できるかどうか不安に感じる方も多いと思います。

 

TACや大原などの専門学校に通うべきか、それとも独学で勉強しようか、すこしは悩みますよね?

だって専門学校は決められたカリキュラムに沿って勉強していけば合格できるようになってるんですから。

特に自分であれこれ考えなくても正しい勉強ができる。正しい方向へ努力することができるんですよ。

 

じゃあ、なんで悩むんでしょうね。
専門学校一択でいいじゃないですか。

 

思うに、私もそうでしたが理由はお金なんですよ。お金がかかるんですよ。それも結構な。

専門学校の受講料
  • TAC:153,000円~220,000円
  • 大原:122,500円~200,500円

※web通信、DVD通信、通学などによって受講料に幅があります。

 

その点、独学であれば市販の問題集やテキスト代だけなのでかなり安く済ませることができますもんね。

だからこの記事を読んでくれている方はきっと独学一択なのではないでしょうか。

 

後は独学だと合格可能なのか、可能であればどのくらいの時間が必要なのか。

そのあたりの具体的なことがわかれば日商簿記1級を独学で合格するという決心ができるのだと思います。

 

そんな、背中を押してほしい受験生のために今回は日商簿記1級を独学で合格するまでにはどのくらいの時間がかかるのか、費用とともに具体的に解説していきます。

 

それと試験対策や勉強法なんかも気になるでしょうから、その点についても少し触れていきたいと思います。

 

日商簿記1級の難易度

 

不安を払拭できるかわかりませんが、日商簿記1級を独学で合格するにあたってざっくりと難易度について私の見解を述べたいと思います。

 

まず、ライバルとなる受験生についてですが、いきなり簿記1級から受けようと思う人は少ないと思うので普通は簿記2級合格レベルの受験生が母集団だと考えられますね。

そのうえ、日商簿記1級の合格率は大体毎回10%弱で合格率は非常に低いですから、そう考えると確かに難しい試験ですよ。難易度は非常に高い試験と言えます。

その受験生の中には腕試しで受験する公認会計士受験生なども含まれているから独学で合格している人なんてほとんどいないなんて言ってる人もいますが。。

 

でも正直、会計士受験生だからって必ず合格できるってもんでもありませんよ。

学習範囲や会計の知識は被っていても試験は別物です。出題形式も違えば制限時間も違うのですから。

 

日商簿記1級の試験対策をしてこない公認会計士受験生なんて大したことありません。

 

試験の合格に必要なのは知識だけではないんです。
最も大切なのはその試験の対策です。

 

1人だけしか受からないっていうのならまだしも、日商簿記1級は受験生の10%が受かる試験です。
ある種の天才だけが受かる試験じゃありません。

しっかりと最低限の勉強をして、しっかりと試験対策すれば必ず受かります!

 

日商簿記1級の試験内容

 

では、試験対策をするにはまず試験の内容を把握する必要がありますので少し解説していきます。

試験概要
  • 日商簿記1級の試験科目は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目。
  • 試験時間は商業簿記、会計学で90分、工業簿記、原価計算で90分の合計180分。
  • 各科目25点満点の合計100点満点で合格ラインは70点。各科目で10点未満の科目があると足切り不合格。

ざっとこんな感じでしょうか。

 

商業簿記、会計学が終わると少し休憩があります。なので、商業簿記、会計学が仮に早く解き終わったとしても工業簿記、原価計算にその余った時間を使うことはできません。

 

こういう試験のルールも解答に掛ける時間配分を考える上では大切になってきます。

 

あと、足切りを極端に怖がる人がいますが、合格点を取りながら足切りで不合格になる人なんてほとんどいませんので安心してください。

10点未満の科目があると大抵は70点以上になることはありませんから。

足切りで不合格になる人はもともと合格する実力があって、たまたま大きな失敗をしてしまった人ぐらいだと思ってください。

 

日商簿記1級の試験対策

 

それでは試験対策についても少し解説します。

 

先ほど足切りは心配しなくてもいいといいましたが、足切りになるのは、そもそも試験対策をできていないからだと私は思っています。

この試験は合格基準を70点以上としておきながら合格率が10%程度で毎回安定しています。

受験する回によっては難易度の高い問題が出てきたり、受験生が手薄になってる論点が出題されたりもするはずです。

その場合は平均点は下がるはずですし、70点以上得点する受験生も少なくなるはず。

それでも毎回10%の受験生が70点以上得点し合格できてるのですから、この試験は相対試験と考えて間違いありません。

そうであれば、簡単な問題さえ落とさなければ足切りになることはないでしょう。

原価計算などは性質上、序盤の計算をミスすると芋ずる式に失点する可能性もあるので注意が必要ですが、それでも途中に必ず単体で得点できる問題もあるはずです。

そういった問題を必ず拾うこと。
あとは序盤のミスで大きな失点をするのであれば、そこは多少時間をかけてもいいのです。

 

相対試験は基本、傾斜配点です。正答率の高かった簡単な問題に大きな点数が後付けで配分されてると考えられます。

正答率の低い難しい問題にはまったく点数が配分されない可能性だってあるのです。

私も合格した時の原価計算は24点でしたが何か所も間違ってる箇所がありました。それでも24点取れたということは配点がない問題もあったということです。

したがってやるべきことは簡単です。正答率の高い簡単な問題を確実に得点する。これが基本です。
難しい問題に時間をかけて、挙句正答できないことほど無駄なことはありません。

 

また、科目は4科目あるということですが、商業簿記と会計学、工業簿記と原価計算は別々の科目として考える必要はありません。

基本は同じ内容なのですから切り離して考える必要がないのです。商会と工原の2科目という認識でいいと思います。

 

試験の中では商業簿記は総合問題が出題され、会計学は個別論点が出題されるといった傾向があるかと思います。(私が受けた試験当時の傾向です)

ただ、総合問題も結局は個別問題の寄せ集めなので、わからない個別論点を一つ一つ潰していけば、それだけで商会のレベルは上がっていきます。

そのうえで、総合問題は少し慣れが必要ですから時間配分を意識しながら何度も解いて練習すれば商会は合格ラインに少しずつ近づいてきます。

 

工原は商会に比べると得点を稼ぎやすいと思います。

得意不得意はあるかもしれませんが、勉強時間も少なくて済むので工原で稼いでおくと合格しやすくなりますね。

先ほども言いましたが、原価計算は芋ずる式に失点することがあるので序盤の計算ミスは命取りになりかねません。ここは多少時間をかけてでも慎重に解く局面です。

原価計算は問題を把握し解き始めるまでに多少の時間がかかります。ひらめくと速攻で解けることもある反面、はまると何も解き方が思い浮かばないこともあります。

ただし、問題の分量からすると時間的余裕はあるかなと思いますので、とにかく焦らないことです。焦ると余計何も思いつかないし、ケアレスミスもしますから。

 

以上を踏まえ得点する配分を考えると工原で40点商会で30点程度とるのが合格のための理想の得点配分かなと個人的に思います。

 

合格までの費用と勉強時間

 

ここからは私が実際にかかった費用と勉強時間です。

まずは実際に使用していた独学用テキストについてです。

 

私は当時、独学用テキストとしてネットスクール出版の『サクッとうかる』シリーズを使用しました。

このテキストは合格に必要な最低限の内容を収録したテキストで、ネットスクール出版の他シリーズである『とおる簿記』シリーズに比べてライトな作りになっています。

TACや大原から出てる他の数ある独学テキストの中でも一番ライトなテキストだと思います。

内容がライトで価格も一回り安いこのテキストでも合格することができましたので、正直言って独学用テキストは何でも良いのです。

テキストの内容を見てみて読みやすそうだなと思ったものが自分にとって最適なテキストということになるでしょう。

要はどのテキストが一番受かりやすいとかなんてないですよということです。自分にとって使いやすければそれでいいのです。

 

私が当時使用していた独学用テキストで、最近新しくこのシリーズが出版されているようですので参考までに載せておきます。このシリーズで私が合格できたのですから問題はないはずです。

※工業簿記・原価計算については2018年10月24日発売予定のようですのでご注意ください。また、完成編の発売は未定ですが、年末年始頃を予定しているとのことです。

リニューアル版は基礎編のテキスト、問題集で8冊、完成編の4冊を合わせて12冊構成になっています。

従来のものは学習内容ごとにまとまっていたため、連結会計などの頻出論点が3冊目の最後の方になってしまっているなど、頻出論点の学習が手薄になってしまいがちになるといったような構成上の問題点がありました。

ネットスクール担当者に問い合わせたところ

新シリーズはこの点を改善したことで、基礎編8冊で頻出論点を優先的に学べるようになっており、これだけで合格ラインとなる概ね70点程度の得点が可能としたうえ、さらに高度な内容や出題実績に乏しい範囲は完成編で補っていく形にすることで効率的に学べるような構成に再編集したとのことです。

頻出論点を優先的に効率よく学習できるようになり、8冊で合格ラインに届くのは嬉しいですね!

 

それでは、肝心な費用ですが、私が当時実際にかかった費用はトータルで25,000円程度です。
ここには専門学校へ行ってもどっちみちかかる受験料などは含まれていません。

簡単な内訳
  • テキスト、トレーニング問題集セット:約13,000円
  • 本試験レベル問題集、過去問、3冊程度:約6,000円
  • 市販の模試、2冊程度:約4,000円
  • 理論問題集:約1,000円

 

私はTACや大原の公開模試などは受講しませんでしたが、これは受けておいてもいいかもしれません。

というのも試験が相対試験である以上、他の受験生が解ける問題は解けるようにしておいたほうが良いからです。

公開模試は専門学校生はもちろん、多くの受験生が試験対策として受験すると思われます。

普通であれば難しくて正答率が下がる問題も公開模試で出題されていたものが本試験で出題されれば正答率は上がってしまいます。

そうなるとヤマを張って公開模試だけは完ぺきに仕上げてきた、本来合格ラインには乗らないであろう受験生が脅威になってしまいます。

公開模試は5,000円程度かかりますので独学受験生にとっては手痛い費用だとは思いますが、費用対効果はそこそこあるかと思いますので公開模試だけは受けておいてもよいかもしれません。

 

それでは次は合格までに必要な勉強時間の目安です。

 

TACなどで簿記1級の標準学習時間を見ると500時間~600時間となってました。

予備知識なしでこの時間なのかはわかりませんが、自分の体感からするとかなり少ない気がします。

私は初受験時、勉強期間109日、勉強時間426時間で挑みましたが、57点で不合格でした。しかもこれには2級合格までの約200時間が含まれていませんので初学習からだと約620時間程度勉強していたことになります。

正直、全然力及ばずといった感じでしたので個人的には600時間程度では足りないかと思います。

 

私が合格したのは2回目の受験で勉強期間207日、勉強時間691時間、結果は78点でした。
2級合格までの時間と全経上級(不合格)の勉強時間を含めると956時間にもなります。

ネットで日商簿記1級に合格した人の勉強時間を探してみると大体1000時間ぐらいというのが多く、私もその程度かかったので1000時間が合格までの大体の目安と考えて良さそうです。

 

合格のための効率的な勉強方法

 

画期的な勉強法なんてものは正直なところないのですが、自分の受験経験の中で、こうすれば勉強時間を減らせるかなという観点からお話しします。

 

勉強の種類は主にテキストなどで論点を理解するインプット
理解した知識をもとに実際に問題を解いて得点につなげるアウトプットの2つ分けられます。

 

両方大事ではありますが個人的な意見として、試験合格だけを目指すのであればアウトプット中心の勉強にすべきです。圧倒的に時間の短縮につながります。

インプットだけをいくらやっても合格点にはなかなか届きません。時間無制限でやればある程度は解けるでしょうけど、試験では時間制限があるのでそれでは意味がありません。

結局はアウトプットすることで点数が取れるようになってきます。

 

2級を独学で合格した方の中には各論点を順番にほぼ100%理解しながら進めてきた方もいるのではないでしょうか?

しっかりとインプットして次に進みたい気持ちはよくわかります。
しかし、1級は範囲も広く2級に比べるとかなりのボリュームがあります。

一つの論点に時間をかけすぎるといつまで経っても進みませんし、丁寧に進めていってその場では理解したつもりでもどうせすぐ時間が経つと忘れてしまいます。

なので5割から6割程度、理解したなと思ったらどんどん次に進みましょう。
それで、なるべく早く過去問や本試験形式の問題集に取り掛かるべきです。

 

最初は過去問やってもまともに解けないとは思います。あまりにも解けなければすぐに解答を見てしまってください。

そこでわからない箇所がたくさんあって嫌になるかもしれませんが、解説を見て、そしてテキストを見直して、理解して、試験問題に慣れて解けるようにしていってください。

アウトプットしながらわからなければ解説やテキストを見て確認する。こういった作業はインプットの一環にもなって6割程度だった知識がだんだん8割、9割と自然になってくものです。

こうなれば、初見じゃない過去問は8割、9割程度は取れるようになります。
後は初見の問題に慣れて7割以上取れるようになれば本試験でも合格する可能性は高いです。

 

結局はアウトプット中心の学習にしてから点数が伸びてきます。なのでインプット3アウトプット7ぐらいの時間配分でひたすら勉強するのが効率的です。

 

後、過去問は何回ぐらい回すべきかとよく聞かれます。
正直、正解はないし何回でもいいとは思いますが、私の場合は基本的に2回しか解きません。

理由は飽きるからです。初見の問題の方が解いていて楽しかったので、そのほうが捗りました。

自分はやったことある問題をまた解くのは苦痛だったのでそうしましたが、捗るなら3回でも4回でもやればいいと思います。

個人的には同じ時間かけて同じ問題をやるぐらいなら初見の問題をやることをおすすめしますけどね。

結局、初見の問題を解けるようにならないと意味がないので本当の意味でのアウトプットは最初の1回だけ。
2回目以降は復習なのでインプット学習に近くなってくると思いますしね。

 

こんなこと言うと酷かもしれませんが。。

 

正直なところ、試験は合格しなければ意味がありません。

不合格でも試験勉強を頑張っていた事実は変わらないかもしれない、実務のために試験勉強をしている方もいるかもしれません。

でも実際、合格しないとその頑張りは認められないし、実務で生かす機会も来ないかもしれないじゃないですか。

本末転倒な感じもしますが試験ってそんなもんです。

 

それに試験勉強は試験に合格するための勉強なので実務で生きるかどうかはまた別の話です。実務のためであれば実務の勉強をしたほうがいいに決まってます。

試験は試験と割り切って、さっと合格し、実務は実務の勉強をしましょう。

 

アドバイスとして

 

やはり日商簿記1級ともなると、合格するまでにはそれなりの時間がかかります。
モチベーションが続かないと勉強も捗らないので苦しいでしょうね。

こういった悩みを持った受験生から、どうやってモチベーションを保ってましたかと聞かれることが結構あります。

 

そもそも試験には実務と違って『合格』という明確な目標があるので比較的モチベーションは保ちやすいはずです。

私はですが、いつも合格した瞬間の自分を想像することでモチベーションを高めていました。

 

あとはブログを始めて日々の勉強内容を記録をしていくのも効果的です。私もそうでしたから。

同じ受験生とブログを通してコミュニケーションを取ったり、読者の方から応援コメントをいただいたりしていると、早く合格して良い報告をしたくなるので「次こそは!」という思いになります。

自分なりのモチベーションの保ち方を見つけることも受験では大事かもしれませんね。

 

長くなってしまいましたが最後に言いたいこととして。

これは個人的な意見ですが、受験を決断したのであれば、もうあれこれ考えずに合格するまでやるということ。

『迷い』は受験を決断するまでに済ませるべきと私は考えています。

 

この記事は受験を迷ってる方のために受験をするかしないかの判断材料になればと思って書きました。

 

一人でも多くの方の背中を押すことが出来たなら、もちろん嬉しいですが
受験を断念するにせよ、この記事が多くの方の決断の助けになりさえすれば幸いに思います。

 

公認会計士試験、修了考査合格までの道のり

2018.07.27

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